成果報告

令和7年度 調査報告

  • その他
2025年度掲載
掲載日:2025/12/18

令和7年度10月末時点における参加学生数などの集計状況や、岐阜県インターンシップ推進協議会で実施した4つのアンケート調査についてご紹介します。

岐阜県内におけるインターンシップ(及び仕事体験)の状況(令和7年10月末時点)

令和7年度10月末時点 マッチング状況
参加学生数        …2,304人
受入済み事業所数     …160社
送り出し学校数      …198校

 岐阜県インターンシップ推進協議会で集計している上記の実績は、全国の学校や、協議会に受入情報を登録していただいている受入事業所(企業・団体)から「マッチング報告書」にてインターンシップの状況をご報告いただき、それを突合せながら集計することで算出しています。 (5日間以上の“インターンシップ”はもちろんのこと、“仕事体験”などと称される1day、2daysなどの実習も企業研究の機会として捉え、集計対象としています)

※岐阜県内におけるインターンシップもしくは仕事体験についての実績は、年度ごとに集計しています。もし該当する実習の送り出しや受入がございましたら、ぜひ協議会までご連絡ください。(協議会webサイト「各種書類」ページにて「マッチング報告書」をダウンロードしていただけます)

4つの調査の概要

 ここからは、令和7年度に岐阜県インターンシップ推進協議会で実施した4つの調査についてご紹介します。
(事務局でまとめた「調査報告」から抜粋して掲載します)
 各種調査にご協力をいただいた皆様に感謝申し上げます。

実施時期令和7年度に実施した調査の名称と概要
7月~①令和7年度 岐阜県インターンシップ学校調査
 対 象:会員学校、情報提供学校 計276件
 回答数:113件
 ※キャンパスごと、学部ごとでご回答いただいたケースも含めています。
7月~②令和7年度 夏休みインターンシップに関する学生アンケート
 対 象:夏休みにインターンシップ等に参加した学生
     調査協力に関するアンケートに回答があった46事業所に協力していただき、
     361人(以上)に配付
 回答数:113件
9月~③インターンシップと人材採用に関するアンケート
 対 象:会員企業、協力員、登録事業所 395社・団体
 回答数:205件
9月~④インターンシップと就職活動に関する調査
 対 象:就職活動を終えた(、またはしている)学生
     調査協力に関するアンケートに回答があった47事業所に協力していただき、
     208人(以上)に配付
     +令和6年度の学生会員 571人にメールで配付     計779人(以上)
 回答数:41件

①令和7年度 岐阜県インターンシップ学校調査

 当協議会の会員学校、全国の情報提供学校(大学・大学院、短大、高専、専門・専修学校)を対象として行っている調査です。

学生の「企業研究不足」は学校にとって悩ましい状況

 各学校におけるインターンシップや、そこからつながる就職活動の状況を明らかにするべく、いろいろな質問を用意しました。

 まず「学生1人がインターンシップやオープン・カンパニーに参加する件数」は「増加している」との回答が30%以上(「特に変わりはない」32%、「減少している」5%)となり、学生の姿勢がインターンシップ等への参加に割と前向きであると解釈できる結果となりました。

 就職活動については、以前より「学生のエントリー数の減少」が懸念されているものの、それ以上に「学生の企業研究不足」について問題視する学校が多いことが分かりました。企業研究不足は、就職後に「こんなはずじゃなかった」と感じてしまえば、早期離職につながる可能性も高くなります。学生の皆さんには、インターンシップやオープン・カンパニーを活用して、企業等への理解をじっくり深めてもらいたいところです。

 また、就職活動において、学生がハラスメントについて相談や報告する件数についても聞いたところ、「多くはないがある」という回答が45%という結果となりました。特にインターンシップは学生と接する時間も長いため、受入側では学生対応時の望ましい姿や、NG事例などについて社内に共有するのが良さそうです。

企業等がインターンシップに関連して取り組むと良いと感じる内容は

 企業等がインターンシップ等に取り組む場合、「何に力を入れると良いか分からない」といった声も聞かれます。そこで、学校関係者の皆さんに「力を入れて取り組むと良いと感じること」について聞きました。

 上位に入ったのは、「昨今の学生の状況への理解・把握」、「業界や自社に関する分かりやすいPR」、「実習日程の早めの確定と公開」、そして「募集に関するより詳細な情報の公開」となりました。コメントでも「学生がインターンシップ先を探す際に、日程未定のままエントリーをして、その後公開された日程と都合が合わず、マッチング不成立となるケースもある」との言葉がありました。夏休み期間も何かと多忙な学生に、インターンシップ等への参加を検討してもらうためには、早い時期から実習日程を確定し、公開する必要があることが分かりました。

②令和7年度 夏休みインターンシップに関する学生アンケート

 会員企業・協力員・登録事業所の皆さんにお願いし、実習に参加した学生さんにアンケート用紙や回答フォームのURLを配付してもらって実施している調査です。

学生の参加動機や実習先の探し方は様々

 学生がインターンシップ等に参加する動機は、「就職を希望している業界・職種を知るため」や「就職活動に利用するため」といった、『就職活動のため』の項目が多くなりました。ただ一方で、「単位取得のため」や「学生や企業担当者等、様々な人に会うため」、「希望とは違った業界・職種を経験するため」等のように、就活直結ではない動機を持つ学生もいるようです。

 

 さらに、インターンシップ先を選ぶ際にどのようなサイトや手段を利用したかについては、「大手ナビサイトを見て」というだけでなく、企業等のwebサイトをチェックしたり、学内外の合同説明会に参加したりと、様々な手段で探していることが分かりました。

夏休み時点で「就活はもう始まっている」と感じる学生が約7割に

 夏休み時点での就職活動に対するイメージを聞いたところ、67%の学生が「もう就職活動は始まっている」と感じていることが分かりました。また、95%の学生が「就職活動は大変そうだ」と感じており、就職活動への不安感もありインターンシップに参加している様子が伝わってきます。

 また、学生の早期離職が長年の課題となっていますが、インターンシップに参加した学生の約90%は「就職した職場で長く働きたい」と考えていることも分かりました。

 学生からは、他にも「伝える力・聞く力などの基本的な力も大切だと分かった」、「初めは『なんとなく』で参加したが、終わってみるとたくさんの学びがあった」、「参加後は業界や企業の理解度が段違い。働きたいという思いが強くなった」など、様々なコメントも寄せられました。

③インターンシップと人材採用に関するアンケート(企業調査)

 当協議会の会員企業、協力員(県や市など)、受入登録のある事業所を対象として実施している調査です。

インターンシップの受入にあたり、社内で実施していることは?

 インターンシップ学生を受け入れるにあたり、職場内でどのようなことを実施しているのかを聞いたところ、「実習の期間や参加人数等の情報共有」が80%でトップとなりました。学生が訪問・実習する際には、職場の皆さんで「ようこそ」という歓迎の気持ちで対応していただきたいところです。

 一方で、「指導担当者へのハラスメント防止教育」や「学生情報保護等のコンプライアンス教育」等は約10%にとどまる結果となりました。現状で問題がない場合でも、NG事例や注意したいポイント等を職場内で共有しておくのがおすすめです。

 また、インターンシップに関連して課題や負担を感じていることについては、「インターンシップ等から採用活動への学生誘導」、「受入内容やテーマ等の作成」がそれぞれ40%超で上位となりました。

インターンシップ等から入社につながった人材のその後は

 令和5年度より、インターンシップのルールが一部変更となり、それまで「採用活動とは切り離す」のが原則であったインターンシップについて、5日間以上などの条件を満たす場合は、「インターンシップ」という名称が使えるほか、さらに採用活動でも結果を参考にしても良い、ということになりました。

 そのルール変更後にインターンシップに参加した大学3年生等(2025年卒)が既に入社していることから、インターンシップやオープン・カンパニーから入社・内定につながった人材について聞いたところ、「就活直前時期の実習からつながった」というケースが多いことが分かりました。一方で、就職活動よりも前の実習からつながった学生がいるケースもあり、インターンシップや仕事体験は、学生に対し、いずれ来る就職活動に向けて種をまくような活動だということが分かりました。

 また、インターンシップやオープン・カンパニーを経て入社した人材は「入社後ギャップが少ない」、「組織への溶け込みが早い」というケースが多いようで、学生がスムーズに社会人デビューを果たすためにも大きな役割を担っていることが分かりました。

④インターンシップと就職活動に関する調査

 会員企業・協力員・登録事業所の皆さんにお願いし、内定式や内定者懇談会等の機会に、学生にアンケート用紙や回答フォームのURLを配付してもらって実施している調査です。令和6年度に当協議会の学生会員としてご登録いただいていた学生さんにもメール等にて回答をお願いしました。
(なおこの数年は回答数が少ないため、単純な比較はしづらい状況となっています)

就職活動の早期化は勢いが止まらず

 「就職活動を始めた時期」、「初めて内定をもらった時期」、さらに「就職活動を終了した時期」を聞いたところ、いずれの質問でも早期化が浮き彫りに。小さな規模の調査ではありますが、学生の就職活動が、年々変化していっていることが分かりました。

 「就職活動を始めた時期」については、大学3年生(等、卒業年次の前年)の「5~6月」という回答がピークに。多くの学生が夏休みまでに就職活動が始まった、と感じていたことが分かりました。

 「初めて内定をもらった時期」については、「3月」、「5月」との回答が多くなりました。ただ、「前年中」から「2月」にかけての回答も増加しています。また「就職活動を終了した時期」については、「5月」、「6月」という回答が多くなりました。

 このように、早期化が進むとともに、活動が1年以上にわたる学生もおり、長期化にもつながっていることが分かりました。

学生のインターンシップ等参加率は85%に

 「インターンシップ等に参加したことがある」と回答した学生の割合は、コロナ禍に一時低下したものの、今年度の調査では85%となりました。学生にとっては、インターンシップやオープン・カンパニーに参加することが「当たり前」と言える状況となっているようです。

 このインターンシップ等の経験が就職活動に影響したのかを聞いたところ、多くの学生が「影響した」と回答しました。影響した内容については、昨年度と比較したところ、就職活動に関わる項目を選ぶ傾向が強くなりました。学生にとっては、インターンシップ等が早期選考につながる「近道」だと捉えられている可能性が高いと言えますが、まずは広く社会を知り、社会人力やスキルを育てる機会としてもしっかり活用してもらいたいところです。

令和7年度 調査のまとめ

大切なのはインターンシップやオープン・カンパニーを
学生側、受入側がお互い上手に活用すること

 インターンシップは今や就職活動や採用活動の一環となっていますが、「インターンシップは採用の場でもあるが、関係構築の場である」とのコメントを寄せてくださった学校もあるように、まずはお互いの魅力をより良く知り、次につなげていくための場です。

 学生側はまずは短時間のオープン・カンパニーで広く浅く会社を知り、そこからさらに興味のわく業界・企業の研究を深めていくなど、段階的に進めていくことが、「納得できる就職先」につながる道筋だろうと感じます。

 また、受入事業所側は、まずは「働くってすごい」、「社会人になるのも楽しそう」といった、学生が興味を持てる内容から、社会や企業それぞれが抱える課題や今後への展望等まで段階的に学べる工夫をしていくことが大切です。

社会全体で「学生を育てる」イメージを共有したい

 学生は学校での単位取得にもきちんと取り組んでいます。授業、アルバイトにサークルに…と様々な活動に励む中で、インターンシップや就職活動ではできれば効率も重視したい、と考える学生も多いことと思います。受入事業所側は無理なく参加できるスケジュールを模索したり、分かりやすい情報発信に努めたいところです。

 また、インターンシップやオープン・カンパニーのプログラム作成にあたっては、「学生が社会に出る前に知っておいてほしい」ことを盛り込むなど、良いことだけでなく、多面的に社会や業界、企業を理解できるような工夫をしたいところです。入社後に「こんなはずじゃなかった」ということにならないよう、学生側にとって判断材料となる情報を受入側がきちんと見せることが大切です。そうして、これからの岐阜県を支えてくれる人材を、県内全体で育てていく意識を持って取り組むことも大切です。


 「令和7年度 調査報告」全体版は、協議会の会員学校ならびに情報提供学校、協議会に各種ご登録をいただいている企業・団体にご案内しています。
 情報提供を希望される学校関係の方、また受入情報の登録を希望される企業・団体の方は、協議会webサイトをご覧いただき、協議会までご連絡ください。

岐阜県インターンシップ推進協議会
〒500-8833 岐阜市神田町2-2 岐阜商工会議所3F
TEL 058-267-0930(9:30~16:30) FAX 058-267-0931
E-mail info@gifuken-internship.org
URL  https://gifuken-internship.org/

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