成果報告

令和4年度 GIC 調査報告

  • その他
掲載日:2022/12/09
2022年度掲載

令和4年度10月末時点における参加学生数などの集計状況や、岐阜県インターンシップ推進協議会で実施した4つのアンケート調査についてご紹介します。

岐阜県内におけるインターンシップの状況(令和4年10月末時点)

令和4年度10月末時点 マッチング状況
参加学生数        …1,537人
受入済み事業所数 …173社
送り出し学校数   …186校

 岐阜県インターンシップ推進協議会で集計している上記の実績は、全国の学校や、協議会に受入情報を登録していただいている受入事業所(企業・団体)から「マッチング報告書」にてインターンシップの状況をご報告いただき、それを突合せながら集計することで算出しています。
(5日間以上の“インターンシップ”はもちろんのこと、“仕事体験”などと称される1day、2daysなどの実習も企業研究の機会として捉え、集計対象としています)

GIC事務局

 新型コロナウイルス感染症の影響が出始めてから今年で3年目となりますが、令和4年度も学生さんの夏休みの時期に感染が拡大傾向に。「受入時に指導予定の部署で陽性者が出てしまった」といった理由で受入中止になったケースもあると協議会に情報が寄せられています。
 一方で、昨年度よりも対面開催・複数日程で実施できた事業所も多かったようです。一部では、感染リスクを避けるべく、いわゆるハイブリッド開催(対面日程とオンライン日程を組み合わせたもの)を活用している事業所もあります。

4つの調査の概要

 ここからは、令和4年度に岐阜県インターンシップ推進協議会で実施した4つの調査についてご紹介します。
 (事務局でまとめた「調査報告」から抜粋して掲載します)
 各種調査にご協力をいただいた皆様に感謝申し上げます。

実施時期令和4年度に実施した調査の名称と概要
7月~①〔学校〕 令和4年度 岐阜県インターンシップ学校調査
 対 象:会員学校、情報提供学校 計305件
 回答数:109件
7月~②〔学生〕 令和4年度 夏休みインターンシップに関する学生アンケート
 対 象:調査協力に関するアンケートに回答があった32事業所 385人分(以上)
 回答数:242件
9月~③〔企業〕 インターンシップと人材採用に関するアンケート
 対 象:会員企業、協力員、登録事業所 395社・団体
 回答数:202件
9月~④〔学生〕 インターンシップと就職活動に関する調査
 対 象:調査協力に関するアンケートに回答があった18事業所 219人分(以上)
     +令和3年度の学生会員 482人分 計701人(以上)
 回答数:44件

①令和4年度 岐阜県インターンシップ学校調査

 当協議会の会員学校(令和4年度は30校)、全国の情報提供学校を対象として行っている調査です。

低学年層へのインターンシップの推進状況は

 3年制以上の大学等において、1、2年生への対応について聞いたところ、学生が希望すれば授業やセミナーを受講したり、単位認定を受けることができるという回答が半数以上となりました。また、インターンシップとは別のキャリア教育プログラムを用意しているという回答も半数近くとなりました。

企業・団体に対する要望は

 要望のトップは、「実習スケジュールについて事前に詳しく公開してほしい(56.5%)」でした。
 また、「実習への申込は学生から直接受け付けるようにしてほしい」という項目が33.3%、「覚書等の締結を求めないでほしい」が25%となっている点にも注意が必要です。 学校の規模や考え方等から、学校を通じての申込や書類のやり取りに対応していない学校もあり、学生の機会損失(=受入側にとっては、やる気のある学生と出会う機会の損失)を防ぐためにも、募集・受入時には柔軟な対応を取ることも大切です。

②令和4年度 夏休みインターンシップに関する学生アンケート

 会員企業・協力員・登録事業所の皆さんにお願いし、実習に参加した学生にアンケート用紙か、回答フォームのURLを配付してもらって実施している調査です。

実習の日数や形態は

 今回回答を寄せてくれた学生が夏休みに参加したインターンシップについて、複数回参加したものも合わせて集計したところ、「1日間」が40.6%、「2日間」が43.4%と、短期間のものが多数を占める結果となりました。 開催形態は「対面開催」が48.1%、「オンライン」が27.7%、ハイブリッドが23.9%でした。

インターンシップに参加して得られたことは

 参加した動機を訪ねる質問では、「就職を希望している業界・職種を知るため」が78.5%でトップ。これに「『働く』ことを体験するため(65.7%)」、「就職を希望している企業を知るため(51.2%)」が続きます。
 そして、実習に参加して得られた内容についても、多くの学生が「業界・職種への理解が深まった(92.1%)」と回答しています。一方で「単位が取得できた」は近年減少を続けており、学生が単位のためというよりは、就職活動の一環と考えて参加している様子がうかがえます。

③インターンシップと人材採用に関するアンケート

 当協議会の会員企業、協力員(県や市など)、受入登録のある事業所にご回答をいただいている調査です。

インターンシップ学生受入の状況は

 「応募はあったが受入を中止した」という項目が22.2%だった令和3年度とはだいぶ状況が変わり、「学生の受入を行った」が54.6%となりました。
 そのうち、実習を「対面開催」で行った事業所が81.8%でした。

「インターンシップ時の情報を採用でも利用できるようになる」という報道への対応

 2022年4月、2024年度(=2025年3月)卒業の学生について、表題のような報道がありました。対応を聞くと、「自社でも活用したい」は30.3%にとどまり、「今後の世情を見ながら判断したい」という慎重派な意見が54.9%となりました。

学生の評価を採用活動に利用できる場合の条件については、「対応しているものはない」とする事業所が44.5%でしたが、既に複数項目に対応している事業所もありました。

GIC事務局

 このルールの適用は「2025年3月卒業学生」からとなります。インターンシップ時の学生の成果を採用活動に活用したい場合は、令和5年度以降、受入情報を計画する際に条件を満たしておく必要があります。

④インターンシップと就職活動に関する調査

 会員企業・協力員・登録事業所の皆さんにお願いし、10月の内定式等の機会に、内定学生にアンケート用紙か、回答フォームのURLを配付してもらって実施している調査です。(今回は例年よりも回答数が少なかったため、単純な比較はしづらい状況となっています)

「就活」が始まる時期はいつ?

 「企業研究・自己分析などを含め就職活動またはその準備を始めた時期」を聞いたところ、半数以上の65.9%が前年(=卒業年次の前年、4年制の場合は3年生)の10月以前と回答しました。ただ、この3年間の推移を見ると、「当年3月」、「4月」も割合が高くなっています。

 また、「初めて内定をもらった時期」は一昨年、昨年とピークがずれてきていましたが、令和4年度は「4月」と「8月」にピークが分かれるという状況になりました。
 学生がかなり早い時期から就職活動を意識しており、中には早々に内定をもらっている学生もいることが分かります。

内定学生のインターンシップ参加経験は?

 回答数の少なさから昨年度までと単純比較はできないながら、「インターンシップの参加経験」は一昨年から下降に転じ、令和4年度調査では68.2%まで落ち込みました。
 令和3年度の『企業調査』において、受入を中止した事業所が多かったことも分かっており、思うように参加できなかった学生も多いのではないかと考えられます。

 なお、参加経験のある学生の内77.7%が、参加したインターンシップが就職活動に「大いに影響した」または「影響した」と回答しています。

令和4年度 調査のまとめ

学生にインターンシップの価値を改めて周知する必要

 就職活動についてはこの数年、「売り手市場」だと報道されており、また岐阜県は全国的に見ても有効求人倍率が高い状況が続いているため、「就職活動が比較的楽なのではないか」→「特にインターンシップの必要はないのでは」と考えている学生がいるのかもしれません。そうであるなら、協議会としては、「インターンシップは“より良い就職先に出会い、より良い社会人生活を送るため”の制度である」ことや、5日間以上の実習の価値などをこれまで以上に丁寧に伝えていく必要があると考えています。

インターンシップの結果を採用活動に活かす場合の注意点を周知する必要

 「インターンシップにおける学生の成果等の情報が採用活動の際に利用できる」という部分ばかりがクローズアップされ、「インターンシップ」に必須とされる条件に該当しないケースまで学生の情報が利用されることで、学生の不利益が生じてはいけません。 協議会としては、受入事業所側への呼びかけを行ったり、学校等との意見交換の機会を作るなどして、学校や学生、企業・団体の間で認識の差異がなくなるように努めていきたいと考えています。


「令和4年度 調査報告」全体版を希望される方は、下記事務局までご連絡ください。

岐阜県インターンシップ推進協議会
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