1年生の後半から就職のことが気になり始め、大学の就職課で相談。
地元エリアのメーカーで、営業を中心とした5日間のプログラムを体験しました。
当初“カタい”イメージだったという営業職への認識は、実習を経て大きく変わりました。
事業内容:水栓金具およびエクステリアなど水まわり商品の企画設計から製造販売、住宅機器メーカーのOEM製品の製造
本社所在地:山県市富永194番地
実習に参加した学生さん
「事務は想像ができるけれど、営業は何となくカタそうなイメージ」
将来への夢などはまだ漠然としているのですが、1年生の後半から就職活動のことが気になり始めて、学校の就職課に相談しました。2年生の4月からインターンシップの授業が開講される(※1)と聞いて参加しようと思いました。 実習先の希望については、事務の仕事と言われると何となく想像ができるのですが、営業は具体的にどんなことをやっているのか分からず、気になっていました。また、メーカーにも興味があることを話したところ、ミズタニバルブ工業㈱を紹介してもらいました。
※1…岐阜聖徳学園大学では、主に2年生を対象としてインターンシップ科目が開講されています。
水栓メーカーということで、パンフレットやカタログを集めたり、HPを確認した上で、そこには載っていないけれど自分が知りたいと思うことを1ページにまとめました。
それから、それまでの髪型は営業職には似合わないと感じたので、実習前までに髪を切りました。
実習内容や、印象に残っているプログラムについて教えてください。
【実習内容】
実習期間:2022年8月22日~8月26日(5日間/実働35時間)
1日目 | オリエンテーション/会社見学/座学(営業基礎など)/改善ゲーム/組立見学/JISについて |
2日目 | 金太郎飴勉強会への参加(感染症の影響により中止)※2/営業の外回りの同行 |
3日目 | 営業事務体験 |
4日目 | 組立体験/営業事務(アフターサービス)体験 |
5日目 | 模擬面接/若手社員との座談会/振り返り |
※2 金太郎飴勉強会は、全社員が集まって行う社是・社訓や会社の方針などに関する勉強会です。また、毎日の終業時には、一人ひとりが「自画自賛日記」を書いており、この勉強会の後半で、自分なりに頑張ったことやこれから頑張りたいことなどを、4~5人ずつランダムに振り分けられた班内で発表しているそうです。
一番印象に残っているのは、2日目の営業同行です。
いわゆる企業間取引のルート営業で、この日に同行させていただいた先は販売代理店さんをはじめとした種類の違うお客様で、実際のやり取りを拝見することができました。社会人としての言葉遣いはもちろんですが、対応していただく方との距離の取り方や話し方などが行く先々で違い、営業の人ってすごいんだなと感じました。
同行させていただいた営業の方が同じ大学出身ということもあり、お昼ご飯を一緒に食べさせていただいたのも嬉しかったです。
それから、5日目の模擬面接では、自分にはどんな長所や短所があるのか、自己PRを書いてみたり、採用担当の方に実際に面接してもらったりしました。採用側からの目線なども細かく教えていただいたので、就職活動の際に参考にしたいと思います。
「会社が利益を上げるためには、目に見えないいろいろな努力が必要になるんだな」
参加前にいろいろ調べていて、大企業では新入社員への教育が手厚いイメージがあるけれど、中小企業はどうなんだろうという疑問がありました。ミズタニバルブ工業㈱では半年間くらいかけて丁寧に育てていくという話を聞いて、安心しました。
それから、実習前、営業職は「カタい感じ」で、「契約を結ぶのが仕事」なのだろうと考えていたのですが、お客様と話す場合は柔らかい言葉を選ばれていて、カタいイメージとは全然違いました。それに、他社メーカーの商品等も事前に把握して、それらの商品との違いなども盛り込みながらお客様に説明していることを知りました。『この営業さん詳しいな』とお客様に思われることが、信頼にもつながっているのだと思います。会社が利益を上げるためには、目に見えないいろいろな努力が必要になるんだと改めて感じました。
今回かなりしっかり準備をされていたということですが、それでも、もう少し準備しておけば良かった!と感じたことはありますか?
例えばBtoBといった、学校の授業で出てきたな…という単語もどんどん登場して、最初は少し困惑してしまいました。営業の雑学もいろいろ教えていただいたのですが、もう少し授業を真面目に受けておけば良かったと感じました。
それから、面接練習でも注意されたのですが、まだ社会人らしい言葉遣いはできていないので、これから気を付けていきたいです。
実習中は毎日、終業前に日誌(※3)を書いたのですが、言葉の遣い方や誤字脱字についても丁寧に見ていただきました。普段はパソコンを使うことが多いのであまり意識していなかったのですが、手書きをする時に字を間違えないことや、綺麗に書くことも大切なんだと分かりました。言葉遣いも手書きの丁寧さも、エントリーや面接の直前に直そうと思っても難しい部分なので、普段から気を付けていきたいです。
※3…学校で単位認定を受ける場合、実習日誌の記入が必須となるケースが多いようです。一般的には、実習内容やそこから学んだことを毎日記入し、指導担当者のチェックやコメントをもらうようになっています。
実は実習前は「行きたくないな…」という気持ちも強かったんです。何かをやりたいという想いも特にないままでしたが、参加したことで、地元にこんな企業があるんだとか、その取引先なども含めて、様々な企業があるんだということを体感することができて、企業で働くことに興味がわきましたし、もっと調べてみたいという気持ちになりました。
ちなみに、中小企業と大企業を比べると大企業に目が行きがちですが、上司との距離の近さや、社内の風通しの良さなどは中小企業の良さなのかなということも感じました。 それから、インターンシップに挑戦するなら、早ければ早いほど良いとも感じました。まだ業界の希望などが決まっていなくても、そして1日や2日など日数の短いプログラムでも参加してみることで視野も広がって、自分でもっと調べてみようという気持ちになると思います。自分の考え方もどんどん変わっていくので、ぜひ挑戦してもらいたいです。
今回、自分が一人で参加する予定だったからということもありますが、質問したいことをとにかくたくさん考えておきました。実習中は、いろいろな説明を受ける中で、何度も「質問はありますか」と聞かれるのではないかと思います。やはり事前に考えておくと安心して参加できると思います。
ちなみに、事前にまとめた内容についても、少し教えてもらえますか?
製品の生産スピードはどれくらいかとか、その理由、どんな人材を求めているか、上司とのコミュニケーションの頻度、企業として課題だと感じているのはどんなところか、といった質問を考えました。
それから「若手社員が社会人として初めてつまずくのはどんな時ですか」ということも聞いてみたところ、タイミングとしては“業務に慣れてきた頃”ということでした。「上司から指示のあった方法よりも、自分の考えたやり方のほうが絶対に効率が良い!」などと考えて、報告もせずに自分のやり方で強引に進めてしまうと、結局アタフタしてしまって効率も悪くなってしまって…という典型例を教えてもらいました。
今回、営業職について深く知ることができたので、他の職種も体験してみたいと思っています。
受入事業所からのコメント/ミズタニバルブ工業株式会社 総務部 山岸さんより
とても積極的に参加していただきました。今回は営業職をご希望ということで、営業同行はもちろん、営業のサポートをする営業事務や、製品について深く知るために組立の体験も組み込み、会社全体の業務を知った上で営業の仕事を捉えられるような内容としました。
また、学生さんに役立つ内容も盛り込みたいということから、5日目の模擬面接も組み込んでいます。本番さながらの緊張感で体験することで、今後に活かせる気付きを得ていただければと思っています。 5日間真面目に取り組んでいただけて、指導を担当した若手スタッフ一同からも良い評価が届きました。地元の企業として、就職活動の時にも思い出してもらえると嬉しいですね。