成果報告

令和6年度には文理不問のカリキュラムを追加、老舗メーカーの取り組み

  • 受入事業所事例紹介
掲載日:2024/06/07
2023年度掲載

学生が「就職活動の一環」として取り組む傾向が強くなってきたインターンシップ。
企業側にとっては、早くから自社を知り、さらに深く理解して就職を決めてもらうためには、絶好の機会です。
今回は、インターンシップから採用、そして入社までの流れについて模索を続ける担当者にお話を聞きました。

事業内容:一般機械器具製造業
(機械要素部品の開発・製造・販売/鋳物ソリューションの提供)
本社所在地:関市桃紅大地1番地

今回は統括部 人事チームの 石橋さん、戸﨑さんにお話を伺いました。

本社の「関工園」
(写真提供:鍋屋バイテック会社、以下同)

岐阜大学(社会システム経営学環 地域ラボ・岐阜)発の「大学生モニターサービス」

 今回お話を伺ったきっかけは、岐阜大学発の試行的なサービスでした。若年層の声を求める地域の企業等に対し、大学生と直接会ってグループインタビューができるという企画です。(当協議会からも会員企業に対し、情報提供を行いました)

 当日、会場となった岐阜大学の「地域ラボ・岐阜(岐阜市神田町)」に集まったのは、社会システム経営学環の3~4年生、工学部の4年生。会社概要の説明をアイスブレークとして、あらかじめ企業側が準備した項目について、学生へのインタビューが行われました。協議会では、その終了後に、学生と対話した石橋さん、戸﨑さんにお話を伺いました。

地域ラボ・岐阜での様子

大学生ともなると、人生のことを結構考えている

まずは大学生へのグループインタビューについて、感想を聞かせてください。

石橋:入学から高い志を持っている学生がいたことに驚きました。就活にもそれはつながっていて、人生をよく考えているなぁと思いながら聞いていました。その一方で、周りが動き出さないとなかなか動き出さないような雰囲気もあったり、学生らしいなという印象も受けましたね。

今回サービスを利用されるにあたって、インターンシップについてはどのような課題があったのでしょうか。

石橋:課題としては、インターンシップに参加した学生が採用選考に進んでくれた場合でも、辞退される方がいらっしゃることですね。
 とはいえ、今後採用活動を展開していく中で、インターンシップからというルートは外せなくなっています。いろいろなセミナーを受講しても、それこそ1年や2年のうちからアプローチしていく必要があるという話も伺います。

特に理系は就活が早まっている、ということなんですね。

石橋:理系は特に感じますが、文系も本当に早くなっていると思います。
 もともと、夏休みのインターンシップはこれまで理系向けの4日間のプログラムしかありませんでした。そこで、令和6年度は新しく、文系の方にも参加していただける2日間、5日間のプログラムを作りました。複数日程の場合は受入が可能な人数に限りがあるので、選考させていただくことにはなってしまいますが、その分、交通費や宿泊費は当社が負担しますので、お気軽にお申込みいただければと思っています。

本社である関工園(関市)にて開催される各種プログラムはこちら↓ ※①~③は選考あり。
①DX
期間:8/26(月)~30(金)の5日間
応募条件:タイピングができ、エクセルの簡単な関数(SUMなど)を利用できる方
昼食・交通費・宿泊費:支給あり
内容例・システムの改善点やその目的のヒアリング
・KPI・KGIの設定
②開発・生産技術・製造
8/26(月)~29(木)の4日間
応募条件:理系学生のみ
昼食・交通費・宿泊費:支給あり
内容例
・図面作成
・機械加工
③マーケティング
8/26(月)~27(火)の2日間
応募条件:マーケティングに興味があり意欲的に取り組んでいただける方
昼食・交通費・宿泊費:支給あり
内容例
・どんな言葉でPRするかをツールを用いて分析
・効果的な広告を検討
④オープンカンパニー
7/3(水)、8/26(月)、9/9(月)
応募条件:なし
昼食・交通費・宿泊費:支給なし
/送迎バス運行予定
内容例・会社概要説明
・会社見学
・座談会
2024年度のインターンシップ計画。
さらに詳しい内容については、「マイナビ2026」内の鍋屋バイテック会社のページを参照してください。
https://job.mynavi.jp/26/pc/search/corp110064/is.html
綺麗でジムまで完備された工場、敷地内には美術館…と、5日間も実習に行ったら、良い部分をとにかくたくさん目にできそうですが。

石橋:そうですね。インターンシップを通して鍋屋バイテック会社のファンになってもらえるように頑張ります。とはいえ、参加してくれる学生さんがいないと始まりませんので、まずはインターンシップに参加する企業として学生のみなさんに選んでもらえるようアピールに注力していきます。

社内にはジムも完備

1日目のプログラムが全日程に共通の“マスト”な内容

インターンシップを含めて、学生さんにどんな部分を見せていくと良いのだろう、ということを常々考えているのですが、このプログラムは絶対入れている、という内容等はありますか?

石橋:当社の場合は、絶対入れたい内容をオープン・カンパニーの1日に入れ込んでいます。オープン・カンパニーのみの学生さんも、他の複数日程のプログラムを受ける学生さんも、みんなで一緒にオープン・カンパニーを受けてもらいます。また、複数日程のプログラムへの参加を検討する際に、あらかじめ会社を知りたいという声があるのも確かなので、インターンシップの締切前にもオープン・カンパニーを設定しています。社内の見学や、先輩と語る時間など2時間半程度で、社員や社風を知ってもらう機会ですのでお気軽に参加いただければと思います。

社員さんの仕事ぶりを間近で見られるのが
インターンシップの醍醐味!
オンライン開催については、現在は設定されていないのですか?

石橋:会社の雰囲気を知りたいというニーズに答えるため、対面開催のみとしています。
 とはいえ、学生さん側には交通費の負担が発生してしまうことも確かなので、現在は岐阜大学から岐阜駅等を通って本社に向かうバスを仕立てています。ですので、アクセスしやすい学生さんも増えたのではないかと思います。

バスですか! 学生さんは主要な場所まで出向けば乗れて、さらに乗っていれば着くし、何ならバス車中での時間の有効活用もできそうですね。
交通の便がものすごく良い立地であればいざ知らず、なかなかそういう事業所ばかりでもないと思いますので、会社まで安全に足を運んでもらうための工夫はやはり大切なんですね。

石橋:これからも参加しやすいイベントになるよう、ブラッシュアップしていきます。

ちなみに社内でインターンシップはどのように運営されているのですか?

石橋:インターンシップは私が担当しています。申込を受け付けてから、プログラム終了まで、選考や事務的なやり取りなどを行っています。実際に仕事を体験する部分は各部署にお願いしていますね。戸﨑は中途採用、もう一人が社内研修をそれぞれメインで担当していて、お互いにフォローし合いながら進めています。

人事チームの皆さん。
ユニフォームはカラフル&カジュアル!
1人1役というのは、実際結構大変そうだなと感じます。

石橋:もちろん大変なこともありますが、任せてもらえるので、やってみたいことに挑戦したり、楽しく仕事しています。あとは、残業時間をコントロールしたりできるのも、裁量権をもらっている特権ですね。

戸﨑:表現が難しいですが、“仕事に行きたくないな”と思ったことはないですね。担当の仕事はありますが、チームのメンバーに相談しながら、わきあいあいとした雰囲気の中で仕事をしています。残業も少ないですし、穏やかに働けていますね。

そこは、社会人になったからこそ分かる「働きやすさ」かもしれないですね。
今回のグループインタビューを参考に、変えていきたいと感じたこと等はありましたか?

石橋:学生さんの就活方法が変わってきている実態も垣間見えたので、使用するツールを見直すことと、早いうちから学生さんと接点を持てるような工夫をしていきたいなと思います。
 それから、内定を出した後の学生さんに対しても、「分からないことがあれば聞いてくださいね」という時間をちゃんと設定してあげる必要があるのかもしれない、ということは感じましたね。

インターンシップのカリキュラムもバリエーションが豊かになったということで、様々な学生さんとの出会いの場になると良いですね。

石橋:過去には、オープン・カンパニーに来てくれた学生さんがその後、転職希望で来てくださったこともありました。長い目で見ながら、参加された学生さんが、いつかお客様になってくださるのか、社員として入ってくださるのか…何かしらつながると良いなと思って活動しています。

本日は貴重なお話をありがとうございました!