「自分だけマイナススタートじゃない?」と思いながら参加し始めた5日間の実習。
当初、IT=理系仕事と考えていた認識は変わり、一緒に参加した学生さんの優しさや、若手の先輩社員さんからの的確な指導で大きく成長することができました。
事業内容:・情報システムの設計、構築、運用、保守
・Webサイトの製作
・システム開発プロジェクトのマネージメント
本社所在地:大垣市加賀野4-1-7 ソフトピアジャパンセンター7階
実習に参加した学生さん

外国語学部 ヨーロッパ学科 ドイツ語圏専攻
*インタビューの際には、総務部の髙島さんにも同席していただきました。

始まりは、たくさんの企業ブースが並ぶイベントでの出会い
もともとは、2月にあった(一社)岐阜県経営者協会の合同説明会で本当に偶然、ブースを訪問したことです。
当時、他の業界やIT企業も見てはいたのですが、まだどんな業界に進むのか、どんな職種を選ぶのかというのは定めていない状態で。ソフィア総合研究所の説明を聞く中で、自分で感じていた強みが活かせそうだなと思ったのを覚えています。
説明の中で、「求める人物像」というスライドがあって。お話を聞いていたら、好奇心が強いとか、あとは粘り強いとか気力体力があること、といった内容でした。私はどちらかというと勉強することも好きだし、気になったことはやってみたい!と思う人間なので、向いているかもしれない、と思いました。
ちなみにその頃はIT系とか岐阜県だけではなく、愛知県の企業も見ていました。愛知県は港があるので、物流関係の企業のお話を聞くことも多かったですね。
最初は「理系の仕事だ」と思っていました。私はずっと文系で、数学とかパソコン作業もあまりやってきていなかったので「そもそも応募する資格もない」と思っていました。ですが、他のIT企業の説明を聞いて、「どうも文系でも働いている人がいるらしい」ということを知って。そこから気になり始めた感じです。
説明会の当日は、何社かのブースを回ると何か良いものがもらえるからということで、「何社回ろう?どこの企業を回ろう?」と、会場のすみにある会場配置図でいろいろな社名を見て、気になった企業のブースへ行っていました。

たくさんのブースが並んでいた会場の中で見つけてもらえたのが嬉しいですよね。
企業研究などのスタートは周りと比べてもそんなに遅くなかったとは思うのですが、じゃあ自分はどんなところで、どんなふうに働きたいのか?というイメージが全然わかなかったんですよね。ですが、実際に若手の社員さんと話してみると、自分のやっている仕事に対して「とても楽しい」という話をされていて、それがすごく魅力的だなと感じたのを覚えています。
自分の親や年上のきょうだい、先輩たちの姿を見ていて“楽しい仕事ばっかりじゃない”というのか、割と仕事をすることに対してマイナスなイメージがあったので、「あ、こんなふうに働いている人がいるんだな」ということが分かって、すごく良いなと思いました。
自分が参加しようと思った理由や、目指したいところなどは、整理して話せるように準備していました。
IT企業だしプログラミングの勉強とかするべきなのかな?と思ったりもしたのですが、そこは特に何もせずに臨みました。
「え、自分が一番遅れているんじゃない?!」
日 数 | 8/19(月)~23(金)の5日間/各日とも9:30~17:30 |
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1日目 | 会社紹介・業務説明/プログラミングソフトについての説明/練習問題演習 |
2日目 | 課題①(要件説明→プログラム作成→検収)/課題②(同)/社員との懇談 |
3日目 | 課題③(同) |
4日目 | 課題④(要件説明→設計書作成→作成) |
5日目 | 課題④(検収→納品説明) 成果報告/自己評価/終了アンケート |
その時にお聞きした感じだと、学生さんにはプログラミング経験者もいれば、全く未経験という方もいらっしゃったんですよね。
そうですね。1日目、2日目は「自分が一番遅れている」と思っていました。ヤバいなと思っていて。
最初のあたりの課題は皆が同じことを同時に取り組んでいたので、分からなくなったとしても周りの子に聞きやすかったのですが、3日目からはグループに分かれ、そのグループ内でそれぞれが、異なる箇所のプログラム作成を担当するようなスタイルになりました。
お互い違う作業を行って、「じゃあ〇時間後に合わせよう」という流れだったのですが、その時間までにでき上がるのかな?と不安に思っていたことが一番印象に残っています。隣の人が同じ作業をしているわけではないので、すぐに聞けないし、聞けても作業の邪魔になってしまうし、といろいろ不安でした。

(写真提供/株式会社ソフィア総合研究所、以下同じ)
そうですね、できる人でしたね。
紙にパパっとロジックを書き出してしまうタイプの人だったので、むしろ「私に仕事を任せてもらえるかな」と不安でした。君は遅いから自分で全部やる!と言われるんじゃないかと。

プログラミングを習っていたわけではないけれど、工学部出身だからそういうロジックには慣れていて、方法論とか手法が分かれば応用できるタイプの方でしたね。Kさんは、その辺りが一番「沼!」という感じだったのかな。
私が乗り切ったというよりは、その同じチームの人の人柄というのか、優しさに助けられた感じですね。思い切って聞いてみたら、しっかり教えてくれました。もちろん社員の方のサポートもあって、そのおかげで何とかなりました。
その後の4日目、5日目も課題を完成させることは大変でしたが、気持ちは落ち着きました。自分の中で変に卑屈になったりとか、「やっぱり向いていない」とか「できない」とか思ったりせずに残りの2日間を過ごせたので、そこは本当に良かったです。

(写真提供/株式会社ソフィア総合研究所、以下同じ)
数学が得意だからできるというものでもないな、ということは思ったのですが、論理を組み立てることに慣れていると、ITの仕事にも早く慣れることができそうだなとも思いましたね。
そうですね、何と言うのか…天変地異くらいのショックですね。

Kさんにとっては、全く新しいことへの挑戦だったんですね。「はじめまして」の衝撃は大きいかもしれないですね。濃いめの実習内容になっているので、日によっては100%理解しきる前に次の課題が来てしまったりして、大変だったと思います。
“解像度の高い”実習内容で深められたIT企業への理解
乗り切れたことで、自分の中で変化はありましたか?
まずは乗り切れたなっていうのが本当に良かったのですが、分からないことがあった時に、社員の方や一緒に参加していた学生に、質問ができるようになったな、というのが良かったですね。
それから、学校の授業では質問があった場合でも、例えば「〇時までに分からないと成績にならない」ということはないので、今回の実習で、課題を〇時までにやろうとか、限られた時間の中で他の人と合わせて、といったように締切があるのは、学校と一番違うところだなと思いつつやっていました。

1週間過ごす中で「正社員の仕事ってこんな感じなんだな」と感じる部分はありましたか?
「設計書を読んでプログラムに起こす」とか、逆に「お客さんの話を聞いて設計書を書く」といった仕事があるんだよ、ということは、ITの仕事を理解する上で知識として知ってはいたのですが、インターンシップに参加して実際に手を動かすことで、あぁこういうふうにやっていくんだな、というのが具体的に感じられたかなと思います。
他の学生とも話していた時には、「他のIT企業も見てきたけど、実際にこういうふうに手を動かしたことがなかったから、この調子で仕事するの、俺はできるかな?」みたいなことを言っている人もいて。そういう意味でも、「解像度が高いよね」という話はしましたね。
でもその大変さは、「いざ就職!」という時よりも前に知っておいたほうが絶対に良いですもんね。

入社してから長く仕事をしてもらうには、仕事をしていく中で、自分なりのやりがいや楽しみを見つけられるようになってもらうことが大事ですからね。
分からないことがたくさんあって、何度も質問しました。その時に「こういう動きを設定すれば動くよ」という答えがきっとあると思うのですが、自分が悩んでいる部分に対して「じゃあそういう動き、やってみる?」と提案していただくことが多くて。たぶん、正解にたどり着くまでには時間がかかってしまうのかもしれないですが、そういうふうに答えてもらったのは嬉しかったです。自分もそういう立場になった時には、そういう答え方ができると良いなと思いました。
実習中に結構たくさんの社員さんにお会いできたのかなと思うのですが、そこはどうでしたか?
会社を見学しても、仕事をするところを間近で見るとか、社員さんの中に入ってやりとりをすることはあまりないと思うので、「あぁこういうふうに働くんだな」というイメージが得られた部分は、参加の前後で大きく変わったなと思います。
選考にエントリーして入社するにも、4月にいきなり入社、と環境がガラリと変わるよりは、インターンシップのように仕事を体験できる機会があるのはとてもありがたいなと感じました。

今回、学生さんの課題の指導は若手社員に中心になってもらい、社員との座談会にはいろいろな世代の私の「推し」社員に参加してもらいました。社員同士でも、普段は仕事の内容を話し合うことのほうが多いので、「実はそんなふうに考えて仕事をしているんだ!」とお互い発見できる場面もあったのが良かったですね。
インターンシップは若手社員にも刺激的!
先輩とたくさん会話ができる実習というのは、受入側の仕掛けづくりもそれなりに必要なんだなということも感じます。

今回指導にあたってくれた若手社員も、実習に参加してくれた学生の皆さんの姿に刺激をもらっていたようです。
インターンシップって、社員側にもすごく良い効果があるんですよね。「学生さんがあんなに一生懸命頑張ってるんだから、私も頑張ろう」、「どんどん次のすごい世代が入ってくるから、今のうちに勉強しておこう」といったようにですね。
ちなみに今回参加してみて、文系の学生さんにもおすすめできそうですか?
理系か文系かよりも、その学生さんのタイプにもよるのかなと思います。周りの社員さんや一緒に参加した学生さんが助けてくれたからできた、という部分も大きくて。課題の難しさと周りのフォローとのバランスが良かったのかな、ということは思いますね。
定期的に作業の進み具合をホワイトボードに書き出していたのですが、それは助けを求めやすいシステムで良いなと思いました。周りの声だけを聞いていると、皆がすごく進んでいて、自分ばっかり遅れているんじゃないかと心配でしたが、「あ、意外とみんな同じくらいかも?」というのが確認できて、安心できました。

いかに学生さんに正直に進捗を報告してもらうかという点は、試行錯誤していますね。作業自体の進捗よりも、その学生のメンタルについて聞いた方が良いのかな?ということも考えたり。
学生さんも、実習の最後にまとめて「総評」としてフィードバックしてもらうだけでなく、例えば作業ごとに「ここは〇〇が良いね、ここは△△のところをもう少し深めてみよう」というようにアドバイスをもらえると、1つの実習の中でより成長できそうですね。

その瞬間の学生さん自身の成長を、その時に伝えてあげられると良いですよね。
今回インターンシップに参加して、仕事の大変さや難しさを実感できたので、粘り強く勉強する姿勢を今後も持ち続けたいです。一人ではなかなか勉強できない部分も多いですが、まずは、分からないことがあればきちんと質問できるように工夫するとか、自分なりに取り組んでいきたいです。
本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました!!